交通事故後の後遺症認定は、各国でその制度や手続き、そして期間が異なります。日本における後遺症認定期間についてこれまで見てきましたが、国際的な視点から日本の現状を比較することで、その特徴や課題をより深く理解することができます。欧米諸国、特にアメリカやカナダなどの地域では、交通事故訴訟が非常に多く、後遺症に関する評価も、多くの場合、専門家証言を伴う訴訟プロセスの中で行われます。この場合、後遺症の有無や程度を判断する医師は、裁判所に提出するレポートを作成し、時には法廷で証言することもあります。このプロセスは、日本の自賠責保険制度における「書面審査」を主体とする認定手続きとは大きく異なります。訴訟を前提とする評価は、より詳細かつ多角的な医学的意見が求められるため、その分、準備期間や裁判期間を含めると長期化する傾向にあります。しかし、その一方で、被害者の個別の状況がより細かく評価される可能性も秘めています。日本の自賠責保険制度は、基本的に等級表に基づいた画一的な判断がなされることが多く、複雑な症状や複数の症状が複合している場合などには、その評価が難しいという課題があります。日本の後遺症認定期間は、書類提出後おおむね1ヶ月から3ヶ月程度とされていますが、追加資料の要請や異議申し立てが行われると、半年から1年以上かかることも珍しくありません。欧米諸国での訴訟プロセスと比較すると、書面審査が主体である日本の制度は、表面上は迅速に思えるかもしれません。しかし、被害者請求における書類収集の手間や、事前認定における保険会社の事務処理期間などを考慮すると、トータルの期間は決して短いとは言えません。また、欧米の一部地域では、交通事故後に専門の「パーソナルインジャリー弁護士」がすぐに介入し、医療機関との連携や書類作成、さらには保険会社との交渉を最初から一貫してサポートする体制が整っています。これにより、被害者は治療に専念できるだけでなく、手続きの専門的な部分を任せることで、不必要な期間の長期化を防ぐことができます。
後遺症認定期間の国際比較!日本の現状と課題