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帯状疱疹と再発のリスク?後遺症以外の懸念
帯状疱疹は、一度発症するとその痛みや後遺症に悩まされることがありますが、さらに懸念されるのが「再発のリスク」です。帯状疱疹は、水ぼうそうウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が体内の神経節に潜伏し、免疫力が低下した際に再活性化して発症する病気であるため、一度かかったからといって完全に免疫ができるわけではありません。そのため、後遺症とは別に、再発の可能性も常に考慮しておく必要があります。帯状疱疹の再発率は、一般的に生涯で約10%程度と言われていますが、特定の条件下ではそのリスクが高まります。最も大きな要因は「免疫力の低下」です。加齢とともに免疫機能は自然と低下するため、高齢者ほど再発しやすくなります。また、がんやHIV感染症など、免疫力を抑制する病気を患っている方や、免疫抑制剤を服用している方も再発のリスクが高いとされています。過度なストレス、疲労、睡眠不足なども免疫力低下の原因となり、再発の引き金となる可能性があります。さらに、初回発症時に帯状疱疹後神経痛が残った人や、帯状疱疹の症状が重度であった人も、再発しやすい傾向にあると言われています。再発した場合の症状は、初回と全く同じとは限りません。異なる部位に発疹が現れたり、痛みの性質が変わったりすることもあります。しかし、再発時も神経痛を伴うことが多く、特に帯状疱疹後神経痛の既往がある場合は、再発時にも同様の後遺症に移行するリスクが高まることが懸念されます。再発を防ぐための最も効果的な手段は、「帯状疱疹ワクチン」の接種です。現在、日本では不活化ワクチンと生ワクチンの2種類が承認されており、特に50歳以上の成人を対象に推奨されています。ワクチン接種によって、ウイルスの再活性化を抑え、帯状疱疹の発症自体を予防したり、発症したとしても症状を軽くしたり、帯状疱疹後神経痛への移行リスクを低減したりする効果が期待できます。